周易と断易|易1回目

 易というと何を想像しますか?時代劇の中で帽子をかぶり、頬ヒゲを生やした老人の占い師が出てくることがありますよね。台の上には筒に入った50本の竹の棒が置いてあります。
 この竹の棒は筮竹(筮竹)という名前です。筮竹を使う易を「周易(しゅうえき)」といいます。ユングの心理学をお勉強された方には、周易はお馴染みだと思います。
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 もう一つ「易」と呼ばれているものがあります。
これは箱(縦長の箱の中にはしきりがあり、小さな6つの部屋に3個づつ、さいころが入っています)を使って占う「断易(だんえき)」という易です。
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 周易、断易とも、中味は64の項目からできています。
通常これを「64卦(ろくじゅうようんか)」といいます。
周易は50本の筮竹をじゃらじゃらと回しながら(1本は残します)卦を立てます。
断易は箱を上下、または左右に振りながら卦を立てます。

周易と断易|易2回目

 東洋の考えでは、偶数が「陰」で奇数が「陽」と決まっています。筮竹も箱も「自然な陰陽」を得るための道具です。占うことがらを先に決め、無心で扱います。
 「卦」は陰と陽の組み合わせで成り立っています。
 道具を使って64種類の中から1つだけ「卦」を得ます。得た卦が占ったものの答えとなります。
卦は全部で64種類あり、ひとつひとつに名前がついています。
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 易ではさまざまなものが占えます。
 いちばんの特徴は、生年月日や名前がはっきりしなくても、最初に問う質問に対して、吉凶だけでなく「どう行動すればいいのか?」という具体的な対処法がわかることです。
 また、いくつかの選択肢の中で、いちばん良いものを選ぶというのも得意分野です。
 運気、健康、仕事(入社・転職・事業運など)、恋愛(相手の気持ち)人間関係のトラブル、家族や夫婦関係、子供との関わり方、引っ越しからお墓の選択まで、あらゆることを易で占うことができます。

断易の占例|易3回目

具体的に例を上げてみましょう。

断易は箱を使って占うものです。64卦に十二支と五行(木火土金水)を割り振り判断の手がかりにします。
このことから断易は別名「五行易(ごぎょうえき)」とも呼ばれています。
最初に暦で占う月と日にちの十二支を調べます。中心となるのは、当日の日にちと月の十二支と、卦のそれぞれに割りふられた質問者自身と占う事柄の十二支です。十二支には五行の力関係がありますので、その強弱で時の運を得ているか?それとも今は動く時ではないか?を判断します。
ですので、断易では、どんな日に占いを立てたか?がとても重要な意味を持ちます。
同じ卦が出ても占った日によって、答えが変わってくるのです。

2012年5月6日日曜日に営業職に就いている男性の仕事の運勢を占ったとします。
まず、この日は巳月、丁卯の日です。戌と亥が空亡(くうぼう)となっている日です。
(日には甲子から癸亥まで、十干と十二支をひとつづつ組合わせていくのですが、10種類の十干と12種類の十二支とを合わせていくとかならず十二支のどれか2つが余ります。あまったものを空亡と呼んでいます)

月と日、空亡を調べたら、いよいよ箱を振って卦を立てます。
占いたい事柄、「仕事の運気!」と念じて、箱を置きましょう。
下のような様子になりました。
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営業の成績|易4回目

日月("月日"でなく、にちげつ、といいます)と卦に割り振られた六親、十二支、などを書き出すと下のようになります。

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上の図をひとつひとつ読み解いていきます。
仕事の運は財産やお金を得るというところから、「財」というもので表します。
この財を見るとそこに「酉」という字が付いています。
「酉」は「五行」では「金」に所属します。
断易は占った月と日との関係が重要です。
占った月は巳月(5月)で火にあたります。「金は火によって溶かされてしまう」という性質があるところから「財運はいまいち」と言えます。
もうひとつ大事なことは、自分の状態を知ることです。
自分は「世爻(せこう)」という場所にいます。「世(せ)」という文字が書いてある場所の六親(りくしん)と十二支が自分の状態です。
ここには「兄(けい)」という文字が付いています。「兄弟(けいてい)」という呼ばれこの星は、残念ながら「財」に対して痛めつける働きの星になります。自分では一生懸命やっていることが、利益を減らすことになりやすいのです。
鑑定では「5月の営業成績は思うような結果を得られない」という判断になります。

では、そんなとき、どうしたらよいのでしょうか?成績アップにつながる対処法に入ります。
自分にお金を得るのとは反対の星がついているので、
 ・お金を大事に使っているか?
 ・業績を得る目標に対して的外れの行動をしていないか?
というチェックが必要です。

営業職なので、取引先と自分との関係を見てみましょう。取引先は「応(おう)」と書かれたところになります。「応爻(おうこう)」というところになります。

応爻は「辰」です。「辰」は「土」で、自分は「巳」の「火」です。
「火は燃え尽きて灰土に変化する」という自然の原理から、本来なら、自分の行動したことが、取引先からは好印象にとってもらえているという意味になります。
それが現段階では営業成績に結びついていません。それはどうしてでしょうか?

自分と相手との間にある下から四番目に動いているところがあります。この動いているところがうまくいかない原因です。実際の鑑定ではアドバイスへの着目点となります。

下から四番目には「未」という字があります。この「未」も応爻の「辰」と同じ「土」になります。
「取引先と自分の間でほかの土が動いている」ととらえます。「肝心な取引先よりも手前に心引かれるものがある」とみます。
「未」とおなじ段の六親には「孫(そん)」という文字が書いてあります。「子孫(しそん)」というもので、楽しいことや楽しみを表わします。
こんな場合は案外、営業に出かけながら、途中で娯楽場に寄り道しているとも考えられるのです。
鑑定では、そんなことがないかも注意します。

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一生懸命仕事に打ち込んでいるのに業績が伸び悩んでいるまじめな人でしたら、この動きを別の角度からとらえます。
担当している取引先よりも、自分の近くで動きがあることを「もっと身近に仕事のご縁がありそう」と考えます。
もちろん、本来の取引先とも良い関係を続けるべきですが、労力を惜しまず目先を変えて、近くで自分を必要とする人がいればプッシュするべきです。秋口には思いがけず、商談がまとまるかもしれません。
この人は占った月と同じ巳を持ち、占った日にちの卯からもパワーを得ています(「卯」は「木」です。「木」が燃えて「火」を生じるという自然の働きから)。火の勢いが強いと、財の金を強い威力で溶かすことになります。自信過剰になったり、弁が立ちすぎて相手からは口先ばかりだと受け取られやすいのです。
オーバーな言い回しでなく、知識を生かして丁寧に説得すれば、時間がかかりますが結果は上がるでしょう。

周易で読み解き|易5回目

今回は周易で同じ卦を判断してみます。
断易と周易では根本的に見方が違います。
周易の判断の場合、周易には六親や十二支がありませんし、占った月や日が判断に影響を及ぼすこともありません。
断易は一卦で判断できる内容が広く、一つの卦の上で問題を読み解いていきますが、周易は最初に「今後の成り行き」を占って大きく判断した上で、細部について一つづつ易を立てていきます。

風水渙(ふうすいかん)という卦を最初に得たとします。最初の卦を「本卦」といいます。
これは風が水上を吹く象です。水が吹き散らされるという意味の「渙(かん)」という名前がついています。

「渙(かん)」という字には「散る」という意味が含まれます。散って良い結果になることは思い切って進んで「吉」を得ますが、そうでないことは進んではいけません。占うことや、次にとる行動によって吉凶の判断が分かれます。
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占いの卦は、6つの陰陽を重ねることから成り立っていますが、そのひとつ一つの陰陽を「爻(こう)」と言います。

変化したあとの卦を「之卦(しか)」といいます。本卦が現在なら、之卦は未来を表します。
之卦(しか)は天水訟(てんすいしょう)という卦です。「天と水は永遠に交わらない」という意味から、行くところが違うとか、別々に進む、そして訴え争うという意味もあります。

爻の意味と風水渙(ふうすいかん)から天水訟(てんすいしょう)の卦に移り変わるということを合わせて、「話があるかもしれないが売り上げは上がらない」と判断します。
まとまりそうな大きな話があっても流れてしまいます。損害賠償や裁判沙汰に発展しやすいので注意が必要です。

そんな結果に陥らないように、だらだら時間ばかり長引かせる会社や、これはおかしいと感じた担当者には早めに見切りをつけることが大事です。相手の会社を調査する必要さえあるかもしれません。

ふだんの「かたくなな態度」とは違った「柔軟な態度」をとってみてはどうでしょう。